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生保リーディングカンパニーのFinTech戦略(簡易版)

先日、下記記事で日本生保業界のInsurTechについて書きました。

multi-business.hatenablog.com

やはり文字に起こす(アウトプット)と思考が整理されます。これはどうなんだろう、あれはどうなっているんだろうと考えが湧いてきます。結構悲観的な内容になってしまったので 大手生保会社はどんなことを考えているんだろうと各社の戦略を見てみました。

日本生命 

■平成28年度上半期業績説明会資料[2.76MB]PDF

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やはり載っています。記事を見ると

感想、ふ〜ん。特に真新しいことは書いていないし、やる気も感じられない。コールセンター業務や引受・支払査定のAI活用に言及している点くらいしか評価出来ないな。

スタートアップのM&Aや、社内ベンチャーの推進くらい書いて欲しかった。ハッカソンの協賛てwww 

 

第一生命

■第一生命グループの経営戦略〔5,358KB〕

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アニュアルレポートに記載がありました。おっ、見出しに「InsTech」と記載があります。まとめると・・・

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明治安田や住友は見つからなかったので、また探してみます。

以上、簡潔に記載します。

中川政七商店の講演聞いて来ました

六本木のアカデミーヒルズで開催された、中川政七商店の13代代表取締役の中川政七氏の講演を聞いてきました。地方創生、ブランド力等、興味のあることばかりだったので、ブログにまとめます(ノートの書いたものをそのまま記載するだけなのでご容赦を)。

www.yu-nakagawa.co.jp

<ポイント>
  • 「物売り」ではなく、「ブランド作り」
  • 自社が繁栄するためにも、同業界の繁栄は必須。
  • 既存概念に付加価値をつけることで消費者の中でブランドを確立する。
  • ビジョンの重要性
以下、講演内容
中川政七商店は元々麻織りの会社で創業が1716年で創業300年
を超える。現中川政七氏は2002年に富士通退職後、実家である中川政七商店に入社。
 
当時は、工芸業にありがちな、管理体制が全く整っていない、ずさんな経営状態。生産在庫等の業務管理からスタート。赤字を減らし、なんとか経営ができる状態になってからは、「物売り」から「ブランド作り」にシフトを始める。「なんだかわからないけど良さそうなものだから買う」ではなく、「中川政七商店のものだから買う」というブランドとしての認知を広げようとする。
 
デザイナーでもない中川氏は、「ブランド力を上げるには直営店しかない」と2003年に表参道ヒルズに10店舗目を出店するまで、始めは儲からないが店舗が赤字な状態でも経営を続け、店舗数が増えることによる、スケールメリットを利用して黒字転換、ブランドの確立を果たす。
 
経営が安定して来た段階で、ビジョンを掲げる。ビジョンは、自らの事業と直接的に繋がるものではないといけない。3年ほどかけて「日本の工芸を元気にする!」というビジョンを掲げる。自ら掲げたビジョンに従うことで、自社の小売業を大きくするだけでなく同業界(工芸)のコンサルティングを始める。
 
コンサル業を始めることを認知してもらうために、表参道ヒルズ出店までに軌跡をまとめた本を出版し、書籍の中でコンサル業を始めることを記載。波佐見焼で有名な波佐見町からコンサルのオファーを受ける。
 
中川氏のコンサルのやり方は、決算書を良くすること。メディアでよく取り上げられる、そこそこ有名になり東京出店が決まった、だけのような状態では満足しない。決算書を良くすることで事業の継続可能性を示すことで後継者問題、地域活性化までを求める。赤字企業の原因は、まともな経営が出来ていないから。内部の経営管理はできるのでまずはそこから。売れるかどうかは相手がいる話なのでわからない。
 
2013年には東京KITTEに中川政七商店を出店。中川氏が2002年に入社してから、売上は4億円→47億円、店舗数は3店舗→49店舗に成長。
 
事業の方針は、「産地の一番星を作る」。組合からのオファーは受けない。一社にコンサルを行い。現地の一番の会社にするこで競争を起こし、結果として平均値が上がる。
 
しかし、産地の衰退スピードが非常に早い。工芸は、幾重の工程からなるサプライチェーンによって成り立っているため、生産の垂直統合が必要。そのためには、大きな投資が必要だがすぐには儲からないため、プラスアルファの付加価値として、「産業観光」を企画。生産工場を観光名所とすることで、工場建設以上の付加価値をつける。消費者には、製造現場を見てもらい、現地のストーリーを見てもらうことでブランドとしての認知を上げる。例:燕三条の包丁業界。「工芸+旅」。
 
工芸が一番評価されないのは、なぜか地元。その工芸があることが当たり前化しているため。そのために、「大日本市博覧会」を全国の産地で開催。今年は、10月12日〜15日に福井県鯖江市で開催される。
ビジョンの重要性。よく社内で、大坂城の石垣の話をする。「石を積んでいる」と答える班と、「日本一の城を作っている」と答える班では仕上がりの出来、スピードが全く違う。
 
中川氏曰く「伝統」は侮蔑言葉。衰退しているから「伝統」と言われる。普通にしていれば伝統と言われない。自動車産業は日本を代表する産業として長い間続いているが伝統とは言われない。
 
以上

 

 

 

日本のInsurTechの可能性

元生命保険会社総合職で現在ベンチャー投資に携わる者として、生命保険会社でイノベーションが起こることをいつも期待している。

保険×ITで「InsurTech(インシュアテック)」という言葉が少しずつ浸透して来ており、海外では下記のニュースも出てきている。

zuuonline.com

記事内では、生保、損保混合のランキングが書かれていて一位は米Oscarだ。

Oscarについては、GCPキャピタリストをされている湯浅エムレ氏の記事が詳しい。

www.emreyuasa.com

まず生保と損保だと、InsurTechは損保で発生しやすいように感じる。物を取り扱う損保ではIoTなどネットと繋がることが容易だからだ。一方、生保は人の生命に保険をかけているためネットと繋がることが難しいと考える。Oscarは医療保険を提供する会社だが、ただ保険商品を提供するだけでなく保険契約者の健康維持に積極的に携わることだ。契約者であれば、Oscarが提携するドクターにアクセスすることができる。つまり、保険商品だけでなく付加価値を提供することで差別化を図っている。

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生命保険会社は、主に死差益、利差益、費差益を利益の源泉としており、ゼロ金利時代の中、死差益が重要な要素となっている。契約者が健康であり続け、生命保険会社が保険金を支払わない状況になればそれがそのまま利益となる(現実には責任準備金の計上があるため一概には言えないが)。つまり、Oscarは、うちの保険に入れば健康になりますよ、と現在日本国内の生保営業と180度違うことをしている。世界との差は明らかだ。

一方、日本国内でInsurTechの第一人者と私が勝手に考えている増島先生の記事を見ると大企業だけでなくスタートアップ側にも問題があると指摘している。

japan.zdnet.com

これまで5年ほど、銀行・証券業界で日本にFinTechの流れを作り出すための支援をしてきた経験から言うと、日本のInsurTechにおける真の課題は、これを担うスタートアップ企業がなかなか出てこないことにある。その要因は大きく分けて2つある。

 第1は人材面の要因である。InsurTechに取り組むためには、データ収集や分析に関する深い知見を持つエンジニア人材と、保険業というビジネスに対する深い知見を持つビジネス人材の組み合わせが不可欠だ。人材の流動性の高いエンジニア人材は、自らのスキルを用いれば、非効率な保険ビジネスを大きく変えることができるのではないかと目論むことはできるが、保険実務を知らないので、それが絵空事なのかどうか、それを行うために必要な規制の変更が現実的なものなのかどうかを見積もることができない。

 これに対して、日本の保険領域のビジネス人材は、概して保守的な傾向が強い。証券業界の人材のように、機を見てスタートアップ市場に打って出るという人材を見出すことが難しい。独立するとしても、すぐに売り上げが立つ保険募集ビジネスまわりに集中してしまい、売り上げゼロの期間を経てスケールする基盤を作り出すスタートアップ型のビジネスモデルに手を出す人材は極めて少ない。人材のマッチングのむずかしさが、日本のInsurTechスタートアップの立ち上がりが鈍い理由の大きな原因を占めているのである。

 私の肌感覚では、生保社内では「営業現場が正義」みたいなところがあると思う。最も人材、資金が豊富な日本生命でもそうだ。管理部門に配属されたら、「あの人は営業が出来ない」みたいな風潮もある。そんな社内で「こうすれば営業部門を効率化出来る」

と言おうものなら営業職員、現場から非難轟々だ。ここにもまだ深い問題があると考える。現在の日本では、ライフネット生命がInsurTechみたいな感じに思える。一刻も早く生保業界を変えてくれるスタートアップの登場を待つばかりだ。

 

 

未来の可能性(AIについて)

GW初日ですが仕事のこと考えています。今後の投資先テーマについてです。ベンチャーズキャピタリストとして有望な投資先に投資をすることを仕事としていると今現在メディアに出てくるテーマではすでに遅いわけで、2、3年後に顕在化してくるものでないとダメなわけです(難しい・・・)。

 

しかしイノベーションは「今あるもの」同士を掛け合わせたものから成り立っていて、それほど悲観的になる必要もないのかなと考えています。

 

今ある本を読んでいて、AIとGoogleについての記載がありました。面白いので、引用します。

これから起業する1万社の事業計画を予想するのは簡単だ。それはただ、XにAI機能を付けるというものだ。オンラインの知能を加えることで良くなるものを、ただ探せばいいのだ。

全てのサービス、モノにAIを掛け合わせることで今後飛躍する業界が予測できるかもしれない。例えば、全ての行動、メール、SNSなどをスマホが認知しており、ユーザーの嗜好を把握していれば、私がある飲食店に入ったときにSiriがメニューを勝手に注文してくれるかもしれない。例:AI×吉野家

 

全く想像できないが、AI×コーヒー、AI×帽子etc(このブログを書いている場所を見渡して見ました)。ということは、常に周りの何気ない風景に目を配り、関係のない別のものと掛け合わしてみるという訓練が必要だろう。

 

最後に、同書にもう一つ引用する。15年前にAIの可能性に触れているラリー・ペイジの一コマ。

2002年頃に私はグーグルの社内パーティに出席していた。同社は新規株式公開をする前で、当時は検索だけに特化した小さな会社だった。そこでグーグルの聡明な創業者ラリー・ペイジと話した。「ラリー、いまだによく分からないんだ。検索サービスの会社は山ほどあるよね。無料のウェブ検索サービスだって?どうしてそんな気になったんだい?」私のこの想像力が欠如した質問こそが、予測することー特に未来に対してーがいかに難しいかを物語る確固たる証拠だ。(中略)ペイジの返事はいまでも忘れられない。「僕らが本当に作っているのは、AIなんだよ」と彼は答えたのだ。

 

 

【メモ】ポーターのファイブフォース

もうお馴染みのポーターの「5つの競争要因(ファイブフォース)」。ポーターの本を読み直しているので、備忘録がてら書いておきます。

 

〔エッセンシャル版〕マイケル・ポーターの競争戦略

〔エッセンシャル版〕マイケル・ポーターの競争戦略

 

 5つの競争要因

①既存企業同士の競争

②新規参入者の脅威

③買い手(顧客)の交渉力

サプライヤーの交渉力

⑤代替品や代替サービスの脅威

 

【企業分析③】ユナイテッド&コレクティブ

お久しぶりです。今日は2月23日(木)上場予定のユナイテッド&コレクティブ株式会社(以下、U&C)についてざっくり分析していきます。

飲食業を営む会社でよくありがちですが、社名と店舗名が全然違っており、お店の名前を聞いて「あ~、あのお店を運営しているのか」という会社です笑

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(the 3rd BurgerHPより引用)

 「the 3rd Burger」等、首都圏を中心に飲食店を展開しています。青山学院前の交差点から青山骨董通りに入るとお店が目に入りますね。あ~、あのお店の会社か笑

目論見書から会社の事業内容、業績、今後の展開等を見ていきます。

 

事業内容

3つの飲食店ブランドを展開しており、店舗数は全部で54店舗あります(2016年12月31日現在)。

・鶏料理を中心とした居酒屋「てけてけ」49店舗

・健康に重点を置いたハンバーガーショップ「the 3rd Burger」4店舗(全て都内)

・和食店「心」2店舗

私はどのお店も行ったことないですが汗、直営店方式で運営しています。

最近の居酒屋の勝ち残り戦略として、専門店形式が多く見られますが、「てけてけ」も専門に特化して店舗数を伸ばしているのでしょうか(行ってみないと味も雰囲気も分からないので行ってみます)。

会社HPや目論見書を見ると、他飲食店との差別化として「ISP」という言葉が多く出てきます。

ISP(In Store Preparation)とは多店舗展開する中で、セントラルキッチンを利用せずに各店での仕込み調理を行うこと。我々が圧倒的な商品力を模索する中でたどり着いた、ひとつの結論です。店内で仕込むから無駄な冷凍をする必要がありません。無駄な保存料を使用する必要もありません。だからフレッシュで安心安全、そして圧倒的に美味しい商品に仕上ります。我々は、このISP戦略を徹底し、圧倒的商品力の商品を提供することで、日本の、世界の、食のシーンを牽引していきます。(会社HPより引用)

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なるほど、丸亀製麺も確かセントラルキッチンを持たずに各店舗に製麺機などを配置しているという記事を読みましたが、こちらのお店もそのようです。味やお店の雰囲気も大事ですが、こういう戦略は女性やお子様を持つ家庭から支持を集めそうです。

 

業績

 次に業績を見ていきます。

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前期(2016年2月期)は売上高4,227百万円(YoY26%増)、営業利益106百万円(YOY22%増)今期は11月度までの累計で売上高4,043百万円、営業利益174百万円と増収増益です。本業の調子が伺えます。前期のCFを見ると営業CF73.9百万円、投資CF△484百万円、財務CF354百万円と店舗拡大などの投資にお金を回せていることがよく分かります。

 今後の展開

手取金287百万円のうち、49百万円は「てけてけ」の新規出店10店舗に充てるとあり、今後も主力業態として展開していくようです。個人的には3rdバーガーが商機ありそうですが、多店舗展開してしまうとブランドイメージが逆に悪くなりそうです。都心に少ない店舗だからこそプレミアム感もあり特に女性からの人気も出そうです。残りの手取金は具体的な支出が決まるまで金融商品で運用するとのこと。・・・あんまりIPOのメリットが見えない。串カツ田中の株価が好調なように、専門居酒屋の躍進はまだまだ続きそうですので、特に「てけてけ」は要注目ですね。

 

自己資本経営とエクイティファイナンス

昨日あたりからlogmiでこの記事がもりあがってます。

logmi.jp

pixivの片桐さん、ビィ・フォアード の山川さん、ブラケットの光本さんのセッション(進行役はDMMの亀山さん)。3社に共通しているのは、外部資本を入れていないこと。VCで働く私としては、無理矢理にでも外部資本(ここではVCと考えてください)を入れる必要はないと考えています。

自己資本経営のメリット 

自己資本経営のメリットは

  • 自分の判断で全てを動かすことができる。

でしょうか。

仮にVCから調達し、社外取締役を受け入れる、取締役会にオブザーバーが入る、株主総会に来るようになると、万が一経営陣とソリが合わない場合、会社にとってマイナスに働く可能性があります。もちろん、仲良しクラブでいることが良いことではないと考えています。一方、厳しい意見をもらうことで、経営陣が成長し会社も大きくなることは十分考えられます。しかし、外部意見を嫌がる経営者の場合、経営陣、投資家、従業員皆にとってマイナスです。まあ外部の意見を嫌がり、会社が成長しなくなる経営者は、それまでの人、ということですが。 

外部資本経営のメリット

一方、エクイティファイナンスのメリットは

  • 経験のあるVCから知見、意見を得ることができる。
  • デットファイナンスが出来ない創業初期において大きく投資ができる。
  • 自己資本が厚くなることで銀行からの借り入れが可能になる。
VCからの知見

多くのベンチャーはこちらを期待することが大ではないでしょうか。VCからアライアンス先を紹介してもらったり、経営上の重要な判断にアドバイスをもらったり。 

投資が可能になる

 これは当たり前の事。

借入が可能になる

 エクイティだけの調達では資本政策上、支障が出てくると思うので、デットも必要です。しかし、創業したてで売り上げが立っていないスタートアップに融資してくれるはずもありませんが、「あのVCが投資をしているなら」というひとつの信用の獲得にもつながりますし、自己資本が厚くなるのでバランスシートの見栄えが良くなることもメリットです。 

まとめ

まあ、どっちの道を選んでもいいんじゃないですか笑

投資して欲しくないところにVCは無理にでも投資はしないですから。